健康な方は普段あまり意識しないと思いますが、実は、人付き合いには「食べる」ことが常につきまとうからです。
今回は、拒食症になったら、どのようなことで人付き合いができなくなるのか、紹介したいと思います。
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1.人付き合いにつきまとう「恐怖の場面」
実は、人付き合いには、「食べる」という場面がとても多いです。
たとえば、友人同士で「ランチしよう」「ご飯行こう」「おいしいケーキの店に行こう」などと誘い合って食べに行くのは、普通によくあることです。
普通の人は「知らないもの」「おいしいもの」を食べるのが楽しいと思います。
しかし、私たちにしてみたら、このような機会に食べ物屋に行って、カロリーのわからないものを食べるのは「恐怖」でしかありません。
また、友人付き合いだけではありません。困ったことに、職場などでも「食べる」つきあいが非常に多いです。
たとえば、会社で毎日ランチするときに同僚と食事するかもしれませんし、歓送迎会などの飲み会もあります。
私は、とにかくこういった「飲み会」が苦痛でした。
本当は職場の方が好きで、仲良くしたいと思っていたけれども、「飲み会で何かわからないものを食べて太る」ことが恐ろしく、いつもそういった会合を断っていました。
そのせいで「つきあいの悪い人」「変わってる」「ぴりかさんは飲み会がキライ」と思われ、誰も誘ってくれなくなりました。
周囲の人は、親交を深めてどんどん仲良くなっていくのに、私だけ置いてけぼりで、すごい孤独感と疎外感を感じてさみしかったです。
本当は仲良くしたいのに、ただ、食べるのが怖いだけなのに。
そう言えたら楽なのかも知れませんが、拒食症をカミングアウトできないので、最後まで「人付き合いの悪い人」で終わってしまいました。
今も、昔の友人や同僚とは、ほとんどつきあいがありません。
病気のせいだと思っています。恨んではいませんが、ただただ「そういうものだったのだ」と受け入れるだけです。
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2.一口の「試食」がおそろしい
拒食症になると、たった一口の試食がおそろしいです。
たとえば、デパートで試食を勧められたときなどには、恐怖感しかありません。心の中で「やめて!」と叫びます。もちろん、絶対に食べません。
また、たとえば友達とランチしているときに、友達が手作りのお弁当を持ち出してきて「これ、作ったからちょっと食べてみて」と言ってきたら、どうでしょう?
食べないのは明らかに失礼です。
かといって、食べるのは恐怖以外の何者でもありません。
何とか必死で、「気分が悪い」「体調が悪い」などと言って断るしかありません。
友人は気分を害するかも知れません。
私も「悪いことをしたな」
「気を悪くしたかな」
「本当は食べたいのよ、おいしい!!って言ってあげたいのよ、ごめんね!!」
と、心の中で謝りまくっています。
でも、そんな思いは通じるはずもありません。単に「断られた」「食べてもらえなかった」という事実だけが残ります。そうして、どんどん疎遠になっていきます。
人付き合いをすると、こういった問題が次々に起こるので、次第におっくうになって、もう誰ともつきあわないようにしよう、と思い始めるのです。
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3.他人の食べる量が気になる苦痛
人付き合いをすることにもう1つ大きな問題があります。
それは、他人の食べる量が気になることです。
人と一緒にいると、どうしてもその人にたくさん食べてほしいと思ってしまいます。
相手が思うように食べないと、非常にストレスを感じます。本当にあのストレスは、耐えられません。「食べて」というわけにもいきませんから、頭の中が急激に熱くなり、噴火しそうになります。
このような苦痛があるから、「もう人付き合いなんてできっこない」と思ってしまい、どんどん引きこもってしまいます。
「所詮私は1人」
「でも、体重が少ないから、まぁいいや」
いつもいつも、そう思いながら、自分の心を誤魔化しながら、自分で自分を殺しながら、生きています。
もしも周囲にものすごく痩せていて、飲み会などを絶対に断るような、人付き合いの悪い人がいたら、その人は拒食症かも知れません。
本当は人恋しくて、寂しくて、心の中で泣いているかも知れません。
だから、そういった人も疎外せずに、仲良くして上げてもらえると、うれしく思います。
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