拒食症になると、特に食べ物のことでは非常にナーバスになります。普通の人では考えられないようなことで、イライラして腹を立てて、ぶち切れてしまいます。
私も、普段は穏やかな性格ですが、食べ物のこととなると必死になり、大声で怒鳴ってしまうことも多いです。
今回は、拒食症の人が作る、意味のないマイルールと、ほんの些細なことで切れやすくなることについて、書いてみたいと思います。
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1.食べ物に関するわけのわからない「決まりごと」
拒食症の人は、おそらく多くの場合、食べ物に関する自分なりの決めごとを作っていると思います。
たとえば、
「昼は絶対12時に食べる」
「夜ご飯は、何が何でも7時に食べ終わる」
「朝ご飯のメニューは〇〇、昼は▽▽、夜は××(それ以外絶対食べない)」
「肉魚は絶対に食べない」
「炭水化物は絶対に食べない」
「好きに食べて良いのはノンカロリーの食材のみ」
など、いろいろな「マイルール」があります。
それが守られないと耐えられないので、毎日確実に繰り返しています。
私も、昔は「夜ご飯を絶対7時までに食べる」というルールを作っていましたし、今は「昼ご飯は絶対、平日は2時以降、休日は1時以降にならないと食べない」というわけのわからないルールを決めています。理由はありません。
また、自分から「食べよう」というのは絶対に嫌です。周囲から勧められて初めて食べる風にしないと耐えられません。
「自分から食べると言ってしまった、自分から食べると言ってしまった!」
ということで、頭の中がパニックになるからです。
夫や母親が、決まったときに「食べよう」と言ってくれないと、「なんで!」と言って、切れます。それでも、自分から「食べよう」とは言えず「何か言うことがあるでしょう!」と言って、相手を困らせます。
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2. 気に入らないと切れる
さまざまなマイルールを定めている関係もありますが、拒食症になると、些細なことで、ひどくぶち切れてしまいます。
切れるポイントは、マイルールに反する状況になったときももちろんですが、それには限りません。
また、同じこと言われたりされたりしても、切れることもあり、切れないこともあります。
そのときによって対応が異なり、それぞれについて、理由は全くありません。
たとえば、私の場合、夫と一緒に食事をしていたとき、夫が先にスープを飲んでいたことがあります。そんなとき、夫が普通の話をしながら飲んでいると、イライラしていて「早く飲んで!」と言って切れることがありました。
そこで、別の機会に夫がなるべく早くスープを飲んでしまおうとしたとき、私は「なんでスープを全部飲むのか、私に途中で勧めないのか!」ということで切れました。
夫にしたら、ゆっくり飲んでも早く飲んでも怒られるので、意味不明です。どう対応して良いのかもわからないでしょう。
もちろん、私もこのようなことが理不尽なことは重々分かっているのですが、全くコントロールできないのです。
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3.尋常ではない切れ方
しかも、いったん切れると、尋常ではない状態となります。
まずは、食事をしていたお店中に聞こえるくらい大声で怒鳴り散らします。「何で!」「むかつくんじゃ!」「死ね!」などと、めちゃくちゃにわめくのです。
しかも、すぐにはおさまらず、店を出た後も、えんえんと怒鳴り散らします。殴ってしまうこともあります。あまりに混乱して、電車の線路に飛び降りようとすることもありました。
電車の中でも怒鳴り続けるので、周りの人から「静かにしてください」と言われたり、飲食店で「迷惑なので、外に出てください」と言われたりしたことも何回もあります。
もちろん、筆者は普段は普通の人です。ところが、飢えが私の頭をおかしくして、普通の行動をできなくさせてしまうのです。
普段は普通な分、こういうわけのわからない行動をとる自分に対し、酷い嫌悪感を感じます。
4.本当に辛いのは、大切な人を傷つけていること
実際、こんなことを考えていると、完全に気が狂っているな、と思います。
本当に最悪な人間です。後で自分を取り戻したときに「なんて酷いことをしたのだろう」と後悔と言う言葉では表せないほどの辛い思いにさいなまれます。
私は、おそらく本当は穏やかな人間なのだと思います。なぜなら、食べ物に関するわけのわからない内容で切れるとき以外は、争いごとが大嫌いで平和に生きていたいと願っているからです。戦争も喧嘩もややこしいことも大嫌いで、猫のようにのんびり寝ていたいと思っています。
それなのに、病気のイライラで、ふとしたきっかけで周囲が驚くような言動をします。
そんな風に、自分を失ってしまうことが、本当に辛いです。
そして何より、一番大切な夫や母親などの家族に対し、酷い暴言を吐いたり暴力を振るったりして傷つけてしまうことが、もっとも辛いです。
本当に、私なんか生きている価値がない。それどころか、生きていると害悪です。死にたい、と本気で思います。
でも、自殺するほどの勇気もないんです。本当に、情けない人間です。
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