筆者について

拒食症で死にかけたときの話(死と隣り合わせの日々)

筆者本人のやせているときと小康状態になったときの対比の写真を動画で掲載しています。 体重は最低20キロ、最高40キロくらいです。まるで別人なので、よかったら是非みてみてください。

筆者は、20年以上摂食障害を抱えて生きています。すでに人生の半分以上が摂食障害に占められていますし、病気になったのが高校生の時なので、普通だったのは子どもの頃しかありません。

 

私の中で、まともな感覚でいられたのは子どもの頃の思い出だけです。その後の人生は、すべて食べ物と体重に囚われて、摂食障害に塗り込められている感じです。

 

「もしも病気がなかったら、どんな人生だったのだろう?」

 

そう思わない日はありません。どんなにか自由で、どんなにいろいろなことにチャレンジできただろう。

 

でも、それは現実じゃないから、言っても仕方がない。

考えても仕方が無いから、考えないようにしています。

 

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1.筆者が一番酷かったとき

このように、長い長い拒食症の生活ですが、その中でも酷いときとマシなときはありました。

 

直近でもっとも症状が重くなったのは、今から3年くらい前です。

 

そのときには、体重が20キロくらいになって、本当に死にかけでした。

筋力がなくなって、ベッドから一切起き上がれません。歩くときも、杖をつかないと歩けません。

 

1-1.転倒しやすく、大けがになって、全然ケガが治らない

足が上がらないので、歩くのも必死です。もちろん、走ることなんてできません。ふとした出っ張りがあると、すぐにつまづいて転倒します。そのとき、筋力がなく、手や足で顔や頭をかばえないので、顔から思い切りこけて、大けがになります。

筆者も、あごからこけて顔から流血したことが何度かありました。もちろん、足も大けがです。

 

しかも、代謝が悪くなっているので、一回ケガをしたら全然治りません。普通なら1週間もあれば治るケガでも、1か月以上治らず傷が痛んでいました。

 

1-2.手足の感覚が無くなる

また、手足の感覚が完全になくなり、熱いとも冷たいとも痛いとも感じなくなりました。いつのまにか、足から流血していることもあり、家族が驚いていましたが、私は全然痛くなかったのです。

 

1-3.風邪を引いただけで、呼吸困難になって死にかける

もっとも恐ろしかったのは、かぜを引いて、のどに「たん」がからんだときのことです。

普通の人なら、咳などをして、たんを吐き出すことができるので、何ということもない軽い症状です。

 

しかし、当時の私は、腹筋が完全になくなっていたので、たんを吐き出すことができませんでした。実は、体幹の腹筋というのは、普段意識しませんが、さまざまな役割をしているので、なくなると、大きな支障が発生します。

 

そのせいで、私はたんが器官につまり、呼吸ができなくなりました。

本当に苦しく、死ぬと思いました。おえっおえっと声が出て、目から涙があふれ出しますが、たんが切れず、「息が出来ない」のです。今考えても、苦しいです。意識も遠のきそうでした。

救急車で運ばれましたが、医師は「ただの風邪」という扱いで、たんを流す薬をくれただけでした。その後もやっぱり息が苦しい状態が続いていました。

 

結局、何度か救急車で運ばれましたが、医師はわかってくれず、楽になることはありませんでした。

 

日本の医療では、拒食症の人が、たんがからんで呼吸困難になって死ぬ、などということは全く想定されていないのです。

そんなことになるのは、体力がなくなった老人だけだと思われています。

 

その経験があったので、私は「かぜを引いたら死ぬ」と思い、絶対に風邪を引かないように注意しようと思いました。

 

1-4.血液検査の結果について

また、当時、私は血液検査の結果もめちゃくちゃでした。

特に酷かったのは肝臓の数値で、1000以上などに上がっていました。普通の人の場合、数十という単位なので、明らかに肝機能障害が起こっています。

 

コレステロールも数十となり、過度に低下していましたし、白血球の数値も普通の人の4分の1くらいしかありませんでした。

赤血球の数値も腎臓の数値も、軒並みおかしくなっていて、「生命力」が根本的に欠けている状態でした。

 

また、実際にも、いつも頭がふらふらしていて、だるく眠く、半分死んだように眠って一日が過ぎていっているような感じでした。

 

 

2.それでも体重が増えるのが怖い

それでも「体重が増えるのが怖い」という気持ちが強く、食べられないのですから、この病気は恐ろしいです。

 

一方、心のどこかで                                                                                    

 

「食べれば治る」

 

と思っていて、深刻に捉えていない部分があります。

 

病気だと言うことをわかっていても、どれほど深刻な状況になっているか、実感や自覚を持てないのです。

だから、余計に治りません。

 

3.今の筆者が思うこと

筆者は、当時より相当体重も増えて、だいぶ良くなりましたが、今でも走ることはできません。子どもでも走っているのに、嫌になります。

 

先日、何年かぶりにようやく自転車に乗れたのでうれしかったのですが、実際には、自転車なんかは小学校の低学年の頃から乗り回していたものですから、乗れないことの方がおかしいのです。

 

本当に、病気のせいでどんなに時間を無駄にしてきたことか、今後も無駄になっていくのか、考えるだけでうんざりします。

早く治りたいけれど、食べるのが怖い、太るのが怖い、体重が増えるのが怖いので、できません。

 

「少しずつ良くなっていけば良い」

 

と周囲は言います。

しかし、私は少しずつなんて嫌なんです。今の状況が苦痛すぎるからです。

それなら食べれば良いのに、飲み込めずに吐き出して体重を必死で維持している毎日です。

 

今の状況が苦痛→なら、食べたら良い→太るのが嫌→何も変わらない→今の状況が苦痛

 

その無限ループで時間だけがどんどん過ぎていく、そんな生活を送っています。

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