私は長年拒食症に苦しんできました。もはや健康だった頃の記憶がほとんどないくらいです。
この病気になって感じることは「健康なことは素晴らしい」ということです。人間は健康なとき、健康であることに感謝しません。当たり前のことと受け止めてしまいます。
しかしそれは大間違いです。健康でなくなって始めて失ったものの大きさに気づきます。
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1.拒食症の患者はまともな考えができない
拒食症患者は、まともな考え方ができません。
だいたい一日中、頭の中は
「体重増えたくない」
「食べ物(何を食べるか、何時に食べるか、どれだけ食べるか)」
「それを食べたら体重が増えるか」
などのことを考えています。
過食する人は過食のことを、チューイングする人はチューイングのことなどを考えているケースもあります。
また、自分より体重の多い人に対し、変な優越感を持っています。
どんなにくやしくても「どうせあの人は自分より太っている」と思うと、気分がすかっとして平気な気持ちになります。
筆者も実際そういうことが多いです。いろいろうまくいかなくて、人と比べて辛くなったとき「でもあの人はきっと太ってるから、まぁいいや」と思うのです。たぶん、これは自分の心の中の劣等感のごまかしなんだと思っています。
このように、拒食症の人の頭の中は、普通の人とは全く異なります。
好きでそんなことを考えているのではなく、本人も脱却したいと思って悩んでいるので、辛いです。
2.拒食症「ただ、普通にご飯が食べたい」
拒食症の人は、だいたいの人が「普通にご飯を食べたい」という切実な気持ちを持っていると思います。
私もそうです。
ときどき、親などに「何かしたいことはないのか?」「気を紛らわすために好きなことをいしてはどうか?」などと聞かれます。
親は「旅行に行きたい」「絵を習いたい」など、普通の人の趣味のような答えを期待しているのでしょう。
しかし私にとってはそんなことは「どうでも良い」のです。
望んでいるのは、ただ普通にご飯を食べたいということだけです。
好きなときに好きなものを食べられたら、他には何も要りません。
このような考えでいること自体が異常ですし、完全に精神障害だと思って本当に嫌になります。
3.失って始めて気づくもの
私は、このような異常な考えで、もう20年以上過ごしてきました。まともな考えをしていた頃はもはや遠い昔です。
人はなにがきっかけで健康を失うか分からないものです。
今健康な人には、今のあなたの健康な状態を大事にしてもらいたいです。
そして私がもしも再度健康になることができたら、一体何をしたいでしょうかね。
健康になりたいという願いばかりで、健康になった後なにをしたいかっていうのは想像がつかないです。
現実問題として、あまり治る気がしないですね。
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