みなさまは「クレプトマニア」という言葉をご存知でしょうか?
これは、病的に万引きを繰り返してしまう人のことです。
盗癖がある、というわけではなく、もともと普通の人なのに、精神病が原因で万引きを止められない方たちです。
今回は、そんな悲しいクレプトマニアのことを、書いてみたいと思います。
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1.クレプトマニアとは
クレプトマニアとは、病的に万引きを繰り返してしまう方のことです。
たとえば、スーパーやコンビニで、文房具やパンなどのちょっとしたものを盗むことが多いです。
クレプトマニアの方が普通の万引き犯と違うのは、「ものがほしい」わけではないことです。つまり、利益目的がありません。
そして、精神病が原因になっていることが多いです。
クレプトマニアの原因には、認知症や発達障害などもあると言われていますが、最も多いのは「摂食障害」です。
摂食障害になると、お金に細かくなりますし、過食などのためにお金がかかり、食べ物に対する執着も強くなるので、とにかく目の前にある食べ物を万引きしてしまいやすいです。
しかし、摂食障害の人は、好きで万引きしているわけではありません。極限の飢えによる苦しみと、自分の中の抑えられない強い衝動により、病的な感覚で、わけのわからないまま目の前のものを盗ってしまうのです。そして「どうしよう、やってしまった」と後悔しています。
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2.筆者も理解できる「クレプトマニア」
筆者自身は、万引きをしたことはありませんが、クレプトマニアになってしまう方の気持ちはよくわかります。
筆者も昔、大学時代に飢餓感が強かった頃「半分くさったおにぎりでもいいから、ほしい、食べたい」と思っていました。
そして、コンビニなどに行くと、すべての食べ物が美味しそうで、きらきらとまぶしく、気になって仕方がありませんでした。
賞味期限が切れたものでもいいから、タダでくれないか?と思ったこともありました。
決してお金が無いわけではないのですが、なぜかこのような感覚になるのです。
「食べたい食べたい、ほしいほしい」
「でも、どうせ食べないんだから、お金を出すのはもったいない」
そんな感覚でした。
これがきつくなると、きっと目の前のものを盗ってしまうと思います。
3.世間に理解されていない悲しさ
摂食障害のクレプトマニアは、世間においてまったく理解されていません。
単なる万引き窃盗犯として扱われます。
しかも、何度も繰り返してしまうので、「悪質」と判断されます。
最終的には警察に逮捕されて裁判されて、前科がついてしまうこともあります。
結婚している人は、夫から愛想を尽かされ離婚されて、子どもも奪われるかも知れません。本人が悪いわけじゃないのに、病気のせいなのに、見過ごされて、何もかも奪われてしまいます。
「なぜ、摂食障害に対して、世間はこうまでも理解がないのか?」
筆者は常々そう思います。
障害年金の記事でも触れましたが、日本では、あまりに摂食障害に対する理解がなく、研究も進んでおらず、専門家がいない状況です。社会保障も全然ありません。
同じ精神病である統合失調症や躁うつ病、認知症などとは、取扱いが雲泥の差です。
こんなにしんどい病気なのに、問題が大きい病気なのに、理不尽さを感じます。
もっと世の中の理解が進んで、摂食障害の人が少しでも生きやすい世の中になることを、祈ります。
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