拒食症の症状

拒食症患者はいつも「飢えている」

筆者本人のやせているときと小康状態になったときの対比の写真を動画で掲載しています。 体重は最低20キロ、最高40キロくらいです。まるで別人なので、よかったら是非みてみてください。

拒食症というと、食べ物を食べたくなくなる病気だと思われていることが多いです。

私も「食欲がないんでしょう?」「食べたくないんでしょう?」と言われたことが何回もあります。

しかし、拒食症は、食欲がなくなる病気ではありません。常に飢えて飢えて飢えまくっていて、何でも口に入れたいと思っています。普通の人より何倍も食欲があるものです。

今回は、そんなお話を書いてみたいと思います。

 

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1.急性期の食欲不振と過食について

「拒食症の患者は、食欲がない」

確かに急性期ではそういうこともあります。急性期とは、当初に拒食症になって、どんどん痩せて行っている段階です。私も最初に拒食症になった高校生のときには、食欲がいきなり落ちて、全然食べ物を食べたくなくなりました。

しかし、一定期間を過ぎると、その後はものすごい食欲が起こってきます。ダイエット後のリバウンドのものすごい強力なものだと考えてもらったら良いと思います。

 

それで過食に転じる方も多いです。

私も、一時期はめちゃくちゃ食べ過ぎて過食になったことがありました。そのときは、晩ご飯を食べた後にパン1斤、ごはんをどんぶりに一杯、ビスケット1袋、スナック菓子、菓子パン、チョコパイ4個、アイスクリーム3個など、「どれだけお腹に入るのか」と思われるくらい、食べ続けました。当然、お腹が破裂しそうになります。

 

しかし、そんなときでも頭の中は「体重が増える、体重が増える!どうしよう!!」ということでいっぱいです。

30キロを切って髪の毛も薄くなり、毎日寝たきり状態になっているのに、頭の中は「体重が増えるのが怖い!!」という恐怖感だけで支配されているのです。

 

私の場合、過食しても吐きませんでしたが、ここで過食嘔吐が始まってしまう方も多いようです。過食嘔吐になると、いろいろと厳しい状況が起こってくるみたいなので、私はその意味では、まだよかったのかもしれません。

 

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2.拒食症患者は、常に飢えている

私の場合、しばらく経ったら過食衝動が収まったのですが、その後も拒食が続きました。常に食べるものをセーブして、カロリーの少ないものを選び続けました。安心して食べたり飲んだりできるのは、ノンカロリーのものだけです。その他のものは、ネットなどでカロリーを調べて必死で「1キロカロリー」でも少ないものを選びます。

すべては「明日体重が増えないように」するための手段です。

 

拒食症になると、毎日体重を測りたくなります。体重が、昨日より100グラムでも増えていたら、死にたい気持ちになります。

私も、今も毎日体重を測っています。毎日、夜になると「明日体重が増えていたらどうしよう」を思い、ブルーな気持ちになります。その繰り返しだけで毎日が過ぎていきます。本当に無駄な時間を過ごしています。

 

3.お腹がいっぱいになったら不安で死にそうになる

ご飯を食べると、普通の人はお腹いっぱいになって幸せな気持ちになるようです。

しかし、拒食症患者は、そうではありません。お腹が空いていたらしんどくて飢えて死にそうで、何か食べたくて仕方がないのに、食べたら食べたで

「こんなにお腹いっぱいになって、絶対体重が増える!こわい!食べ過ぎた!」

と後悔の嵐です。

でも、はたから見ると「小食ねぇ」と言われるほど少ししか食べていないのです。それでも本人にとっては「食べ過ぎ」になります。

 

このようなことを繰り返しているので、拒食症の患者は常にめちゃくちゃ飢えています。常に「飢餓状態」が続いているようなものだからです。

私も

「いつか、卵掛けご飯を山のようにお腹いっぱい食べたい」

「パンを1斤、思い切り食べたい」

そんなことが夢でした。

 

飢えて飢えて飢えて苦しくて、お腹が空ききっている。

今の日本では、どこへ行っても食べ物を簡単に買えて、飽食の時代、国と言われているのに、拒食症患者はその中で難民やアウシュビッツへ捉えられた人、アフリカの飢餓の子供達と同じくらい飢えています。

目の前にたくさんの食べ物があり、周囲の人はのんきに何も考えずに「おいしいおいしい」と言って食べているけれど、私たちにはそれができない。

 

お腹が空ききって何でも食べたい、白いご飯に何もつけなくて良いからたらふく食べたい、それだけが望み。

そんな状態で、目の前に食べ物を置かれても「食べられない」んです。

この辛さは、なってみないと分からないと思います。地獄です。

 

今回は、「拒食症の人は食欲がない」という誤解について、書いてみました。

 

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すべての拒食症患者の方が、少しでも楽に生きられますように、祈ります。

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