筆者について

拒食が酷いとき、「音楽があれば生きていける」は嘘だと思った件

筆者本人のやせているときと小康状態になったときの対比の写真を動画で掲載しています。 体重は最低20キロ、最高40キロくらいです。まるで別人なので、よかったら是非みてみてください。

筆者は、20年以上拒食症に苦しんできました。

その間、多少調子の良いときもありましたが、2度ほど「いつ死んでもおかしくない」状態となりました。

 

直近で死にかけの状態になったのは、今から35年前の2年間くらいです。

この頃、筆者が考えていたことを1つ、お話ししたいと思います。

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1.筆者は無類の音楽好き

筆者は、とても音楽が好きです。

子どもの頃からピアノを習っていたので、クラシックピアノがすごく好きですし、バイオリンやオーケストラの音楽も聴きます。

はやりの歌なども聴きます。洋楽邦楽問わず聞きますし、時代も、昔のものから現代のものまで幅広いです。映画音楽も好みます。

 

家にCDもすごくたくさんあり、寝るときにはイヤホンでそのとき聞きたいCDを聞きます。

たとえば、最近では、ショパンのバラードやノクターン、チャイコフスキーのバレエ音楽(くるみ割り人形とか)やラヴェルのピアノ曲、トゥーランドット(フィギュアスケートの宇野昌磨君や荒川静香さんが使った曲ですね)などを聞いています。
アーティストでは、平井堅さん、JUJUさん、アリアナ・グランデさん、クリスティーナ・アギレラさん、aikoさんなど、挙げていけば切りが無いです。

2.音楽を聴いても、何も感じなくなった

そんな私ですが、拒食が酷く、衰弱しきっていたときには、音楽どころではなくなりました。そもそも耳がおかしくなって、すべての音の聞こえ方が変になりましたし、音楽を聴いても全く頭や心に響きません。

常に身体がだるく苦しく、筋力がまったくなくなって、ベッドから起き上がることすらできない状態でした。

 

「食べないと死ぬ」

 

と切迫した状況でしたが、わかっていながらも食べられない日々でした。まるで、死に神にとりつかれている気分で、「負けたら死ぬ」と肌で感じていました。枕元に死に神がいるのが見えるようでした。

 

その頃、筆者は、自分がもともと音楽好きだったことを頭では記憶していましたが、その意味が全くわからない状態になりました。音楽の何が良かったのかがわからないのです。

 

「一生音楽なんて聴かなくて良いから、楽になりたい、何か食べたい」

「食べなきゃ、でも体重増えたくない、このままじゃ死ぬ」

 

その繰り返しで、極限状態でした。

 

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3.「音楽があれば生きていける」は嘘だと思った

そんな中で、ふと、ときどき音楽好きな人やミュージシャンなどの人が

 

「音楽さえあれば、生きていける」

No MusicNo Life(音楽がなければ人生ではない)」

 

などと言っているのを思い出しました。

 

そして、

 

「なんだそれは」

 

と思いました。

 

そんなことを言っている人は、本当の飢えや人間の極限状態を知らないのだと思いました。

人間は、音楽なんてなくても生きていけますが、食べ物がないと生きていけないのだと強く感じ、腹立たしく感じました。

 

そう、実際に、どんなに音楽好きな人であっても、食べないで飢えきってしまったら、音楽なんてどうでも良くなるんです。

世の中でどんなに「音楽で生きてます」と言う顔をしているミュージシャンであっても、食べ物を与えないで飢えきったら「音楽」なんて言わずに「食べ物」を選ぶでしょう。

 

これは別に音楽に限らず、どのようなことでも言えることです。

 

画家、小説家、アニメ好きな人、ゲーム好きな人、仕事に没頭している人、投資が好きな人など、「没頭する対象」というのはいろいろあるものです。

しかし、絶対に、飢えているときの「食」への欲求よりは軽いものだと思っています。

 

「三度の飯より〇〇が好き」などというのは絶対嘘です。死にかけたら、誰でも、「三度」どころか「一度の飯」でも食べる方を選びます。

 

そして、拒食症患者は、いつもその人間の根本的な「食」への欲求を極限まで抑えて生きています。

だから、毎日が地獄です。

 

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4.今は、音楽の素晴らしさを感じ取れるようになった

その後筆者はどうなったのか?

 

何とか命を長らえています。死にかけの状態を脱し、血液検査の結果は普通に近くなりましたし、髪の毛もすっかり戻り、肌の状態もだいぶマシになりました。

 

以前より飢えが薄らいだので、音楽の素晴らしさも感じ取れるようになりました。

 

なお、筆者が死にかけの時にどんなにめちゃくちゃな状態だったかや、少し元気になれたきっかけや経緯については、また別の機会に書こうと思っています。

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