拒食症の症状

「お腹が空いたらご飯を食べる」当たり前のことができない拒食症の辛さ

筆者本人のやせているときと小康状態になったときの対比の写真を動画で掲載しています。 体重は最低20キロ、最高40キロくらいです。まるで別人なので、よかったら是非みてみてください。

健康なみなさまは、「お腹が空いたら、ご飯を食べる」ことは当たり前だと考えているかもしれません。

でも、拒食症や摂食障害の人にとっては、それはまったく当たり前ではありません。それができないから、みんなもがき苦しんでいます。

街中を歩いていたり友人と会話していたりして、周囲の普通の人が

「お腹空いた~」

「何食べよう?」

などと言っているのを耳にすると、「羨望」と「違和感」しかありません。

今回は、そんなお話をしてみたいと思います。

 

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1.拒食症の人は、お腹が空いているのが当たり前

普通の人は「お腹が空いたら」何か食べます。

これは、生きているものすべてに同じことです。

動物もお腹が空いたら食べますし、植物だって、必要な栄養素を吸収して生きています。

空腹を我慢し続けて、目の前に食べ物があってもあえて食べない生き物なんて、いません。

それだと死ぬしかないからです。

 

しかし、拒食症の患者は、そうではありません。

私たちは「お腹が空いても」食べません。

お腹が空いているかどうかは、食べることと関係ないのです。

むしろ、常にお腹が空いていないと心配です。お腹いっぱいだと「食べすぎたのではないか?」と不安になります。このことは、以前にも書いたことがあります。

 

拒食症患者は、お腹がいっぱいになると不安で死にそうになる

お腹いっぱいでしんどくて苦しくて、本当は何か身体に入れないとだるくて死にそうでも「食べない」

それが、私たちの病気なのです。完全に自然の摂理に反していて、しんどいです。

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2.食べられるのは、決まったときに決まった量だけ

では、私たちは、いつどんな基準でものを食べているのでしょうか?

 

拒食症の人は、食べることに厳密な「ルール」を作っています。

そのルールに従ってしか、絶対に食べません。

たとえば、「〇時になったら、昼ご飯をこれだけ食べる」

などです。

このことも、以前詳しく書いたことがあるので、よろしかったらお読み下さい。

無意味なマイルールと、些細なことで切れてしまう辛さ

その量が、通常の人よりすごく少ないのです。

だから、拒食症患者は常にとても飢えています。

そして、「お腹が空いたらご飯を食べる」などと言っている人を目にすると

「あぁ、いいなぁ、普通の人だ、そんなことができたらどんなにか良いだろう。どんなにか幸せだろう」

「いつか私も、一度でも良いから、お腹が空いたからと言って、好きなときに好きなものを食べたい」

そのように思いながら毎日を過ごしています。

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3.いつか、お腹が空いたときに好きなものを食べられるのか…?

私の場合も、夫や母親は普通の人なので、お腹が空いたらご飯を食べているみたいです。

ときどき「お腹が空いているから、早く食べたい」と言われたり「お腹が空いたから、早く食べたくて急いだ」などと言われたりすることがあります。

そんなふとした言葉に

「そっか、私にはそれができないんだ」

「普通でいいなぁ」

「お腹が空いてご飯が食べられるだけで幸せなのに」

そして、こうも思います。

「私には、お腹が空いたらご飯を食べるという普通のことすらできないのか」

そう思って、切ないような、情けないような、泣きそうな気持ちになります。

いつか、私にも、お腹が空いたときに好きなものを食べられる日が来るのでしょうか?

この20年、そんなことが1度もなかったので、すっかりそういう普通の感覚を失ってしまいました。辛い病気ですね。

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